今更聞けない！？世界三位の企業NVIDIAは、どの生成AIが勝っても勝つ

先日発表されたNVIDIAの決算のニュース、もしかしたら目にされた人も多いかもしれません。生成AIが好調である流れに見事に乗っているNVIDIAは現在マイクロソフト、アップルに次ぐ世界第三位の企業です。

エヌビディア、大手テクノロジー好決算シーズンの最終関門－22日発表

業績は４四半期連続で予想を上回り株価は過去１年で212％上昇
時価総額は１兆5000億ドル増え２兆3000億ドルに

しかし、実際のところ何の企業なのか、今後の世界をどう変えていくのかはマイクロソフトやアップルほどわかりやすくないため、うまくイメージできていない方も多いのではないでしょうか。

簡単に言えばNVIDIAは生成AIというゴールドラッシュ時代にツルハシを売っています。しかもこのプレイヤーが他にほとんど存在しないため、独占状態になっており、大きな技術変化（GPUが必要なくなる、など）がない限り、構造上勝ちが確定しています。

この記事ではNVIDIAがなぜ今後重要なのか、私たちの周りにどう影響してくるのかをわかりやすく解説したいと思います。

圧倒的な急成長をNVIDIAの１０年間

まずはこの動画をご覧ください。Intelとの企業価値の比較を動画にしたものですが、嘘みたいな速度で成長していることがわかります。

NVIDIAは、1993年に設立された米国のテクノロジー企業であり、GPU（グラフィックプロセッシングユニット）のパイオニアとして知られています。ジェンスン・フアン（Jensen Huang）を中心とするチームによって創業されたNVIDIAは、ゲーム業界からスタートし、現在ではAI（人工知能）やデータセンター、クラウドコンピューティング、車載コンピュータなど多岐にわたる分野で技術革新を続けています。近年、生成AIの台頭により、NVIDIAの製品はその中心的な役割を果たすようになりました。

NVIDIAの株価は急速に上昇し、現在ではマイクロソフトやアップルに次ぐ市場価値を誇っています。これは、NVIDIAが提供する技術がAI時代に不可欠であることを示しています。同社のGPUは、AIモデルのトレーニングと推論において最高のパフォーマンスを提供し、多くの企業がこれに依存しています (NVIDIA Blog)。

そもそもGPUって何？

GPUはCPUと響きは似ていますが、CPUを代替するものではありません。グラフィックを処理するのに特化したチップです。

具体的な働きの違いはこの動画を見てもらうとわかりやすいです。

この動画では大量のペイントボールを一気に噴射してモナリザを描いていますが、GPUの並列処理が具体的に何をしているのかビジュアルでわかります。

そしてこの並列処理能力（複数のペイントボールを一気に発射する）がAIに求められているため、近年急成長しているというわけです。

なぜNVIDIAは成長し続けているのか

NVIDIAの急成長の背景には、いくつかの重要な要素があります。

技術革新:

NVIDIAは常に最先端の技術を追求してきました。特に、GPUの進化においては業界をリードしています。

最新のGB200 Grace Blackwell SuperchipやDGX SuperPODは、非常に高い計算能力を提供し、一兆を超えるパラメーターのモデルの処理を可能にしています。これにより、AIモデルのトレーニングや推論が大幅に効率化され、多くの企業がこれを活用しています (NVIDIA Blog)。

生成AIとのシナジー:

生成AI（Generative AI）は、テキスト、画像、音声などを生成するAI技術であり、その成長はNVIDIAの成功に大きく寄与しています。

生成AIは大量の計算資源を必要とし、NVIDIAのGPUはそのための理想的なプラットフォームとなっています。主要なテクノロジー企業やクラウドサービスプロバイダーは、NVIDIAの技術を採用して生成AIモデルを運用しており、これがNVIDIAの市場シェアを拡大する要因となっています (blog.google) (NVIDIA Blog)。

市場戦略:

NVIDIAは、AIとデータセンター市場における強力なビジネスモデルを確立しています。

同社の収益は、主にGPUの販売と、それに関連するソフトウェアおよびサービスから成り立っています。これにより、NVIDIAは安定した収益基盤を持ちつつ、研究開発に多額の投資を続けることができています。また、NVIDIAはAI技術の普及に向けた戦略的パートナーシップを積極的に推進しており、これが同社の成長をさらに加速させています (NVIDIA Blog)。

今後はどうなるのか？

NVIDIAの未来は、AI技術の進化とそれに伴う新しいビジネスチャンスに大きく依存しています。

未来の技術開発:

NVIDIAは、引き続き技術開発に注力しています。新しい製品ラインナップの発表や、既存の技術の改良が予定されており、これによりAIの計算能力はさらに向上すると予想されます。

例えば、AI向けの次世代GPUや、データセンター向けの高度なコンピューティングソリューションの開発が進行中です (NVIDIA Blog)。

成長ドライバー:

AI時代におけるNVIDIAの成長を支える要因は多岐にわたります。

まず、AIとデータサイエンスの需要が継続的に増加していることです。これに伴い、NVIDIAのGPUに対する需要も増加しています。

また、自動運転車やロボティクス、ヘルスケアなど、AI技術の応用範囲が広がる中で、NVIDIAの技術はこれらの分野においても重要な役割を果たしています (NVIDIA Blog)。

リスクと課題:

しかし、NVIDIAにはいくつかのリスクと課題も存在します。まず、市場競争の激化です。

AMDやインテルなどの競合他社が同様の技術を開発しており、競争が激化しています。

最近では最速生成AIとも呼ばれるGroqが開発するLPUがGPUを代替するのでは、という意見もあります。

Groq半導体はエヌビディアの脅威となるのか。技術面、コスト、電力消費、ビジネスモデルを掘り下げる。

また、技術的な挑戦や規制環境の変化もNVIDIAにとっての課題です。これらのリスクを乗り越えるためには、継続的な技術革新と市場戦略の見直しが必要です (NVIDIA Blog)。

長期的な展望:

NVIDIAの長期的な展望は、AI技術の進化とそれに伴う新しいビジネスチャンスに大きく依存しています。同社は、AIのリーダーシップを維持しつつ、新しい市場を開拓することでさらなる成長を目指しています。投資家にとって、NVIDIAは引き続き魅力的な投資先であり、ビジネスリーダーにとってもその動向を注視する価値があります (NVIDIA Blog)。