生成AIを活用した、弊社のChatbot・ウェブサービスの事例集
独自データを活用した、実務を担えるボット
生成AI技術は、企業のカスタマーサポート、教育、エンターテイメントなど、多岐にわたる分野で活用されています。本事例集では、弊社で開発したプロトタイプの事例をご紹介します。基本的にはLangchainとStreamlitを活用し、それぞれシンプルな機能にフォーカスして作っています。
お客様と話す上でも、何ができるのかがイメージできないという声がよく上がります。ここに挙げているのはそういったアイデアを膨らますための事例集です。ここからお客様独自のチャットボットなどを試作するというケースも多いのですが、直接お話をして自社で何ができるのか考えたいという方はこちらからお問い合わせください。
基本的な構成
Langchainは、自然言語処理(NLP)の最先端技術を活用して、ユーザーとの対話をより自然で効率的なものにするためのライブラリです。一方、Streamlitは、Pythonで作成されたWebアプリケーションを迅速に構築することを可能にするツールです。この二つのツールの組み合わせにより、開発者は容易にパワフルでインタラクティブなChatbotを作成することができます。
ChatTube – 動画の要約・掘り下げボット
https://chattube.streamlit.app/
Youtubeの動画に対して要約や質問を行うことができます。特に長い動画では、自分の興味のある分野に関する話を聞きたいだけなのに、全てを見ないといけないこともよくあります。この事例ではYoutubeを扱っていますが、社内のミーティングの動画なども同じように読み込み、その話の中身などをボットに聞くことが出来ます。
GA4 イベント設定アドバイザー – Google Analyticsの設定を手伝う
https://ga4-consultant.streamlit.app/
最近Google AnalyticsがGA4という新しいバージョンに統一されましたが、その設定の変更に戸惑っている方も多いかもしれません。ユーザーの業種や規模感、目的をヒアリングしながらGA4におけるベストプラクティスを元にしたアドバイスをしてくれます。
検索意図逆算ツール – 検索キーワードから読者のニーズを読み取る
https://infer-intention.streamlit.app/
こちらは検索キーワードを入れていただくと、そのキーワードを打った人の検索意図を説明してくれます。具体的にはその検索結果の上位数件を実際に読み込んで分析し、そのページを読んで満足する読者とはどんな属性なのか、逆にそのページでは何を不満に思うのか、ということを返してくれます(検索結果から意図を逆算しています)
これはSEOの現場では手動でよく行われていることですが、このようにツール化することも可能です。このウェブサービスでは一件一件調べることになりますが、複数の検索キーワードから抽出する、そのキーワードから理想的な目次を生成する、その目次のわかりやすさをサポートするための事例を探す、などといった追加の機能も付加することが可能です。
ChatGit
https://chatgit.streamlit.app/
世界中の人々がプログラムコードやデザインデータを保存・公開できるソースコード管理サービスGithubというサービスにアクセスして、コードについて解説してくれるボットです。プログラマーでないとわからない内容でも、質問をすることで教えてくれます。
直近の具体的な使用例としては、Twitter(現X)がそのアルゴリズムの解析です。先日おすすめにのぼるアルゴリズムがオープンソースで公開されましたが、その内容を読み解くのは一般のプログラマーでも時間がかかります。こういったツールを使うことでコード自身に人が話す言語で聞いて、どうしたらおすすめに出てくるのかを根ほり葉ほり教えてもらうことができました。
さんま御殿メーカー
https://goten-maker.streamlit.app/
これは少し変わり種ですが、キャラクター設定をするとそのキャラクターたちが勝手に話し出す、というものです。ここではわかりやすく、さんま御殿を再現しようとしました。
司会者がテーマに沿って話題を(ランダムに、均等に)振り、ゲストがコメントするというものですが、こういうものを司会ありのマルチエージェントシミュレーションと言います。
このマルチエージェントシミュレーションという分野はまだまだ発展途上の分野ですが様々な使い道があります。弊社のものではありませんが、以下に具体的な事例をご紹介します。
全員生成AIの開発チーム
https://blog.langchain.dev/gpteam-a-multi-agent-simulation/
LangChainのブログに掲載された「GPTeam」は、スタンフォード大学の「Generative Agents」論文に触発されたオープンソースのマルチエージェントシミュレーションです。
このシミュレーションでは、それぞれのAIが自身のキャラクターと記憶、また役割を持つエージェントがお互いにやりとりをして開発を行っています。
面白いのは、「計画執行者」というAIがエージェントを観察して、目的に合わせて調整業務を行うという点です。結果として、エージェントは複雑な共同作業を行うことができます。実際には途中で人間が割り込んだほうが良い場面もあるのですが、職場内のチームの一つとして登場し始めるのも近いかもしれません。
全員生成AIのフォーカスグループ
https://www.xenonstack.com/blog/generative-ai-in-synthetic-data
これはマーケティングにおける本丸と言っても過言ではない、顧客の反応を生成する「合成データ」のプロジェクトです。今はSNSの投稿でもWEBサイトでも実際に投稿してみてABテストを行うというのが一般的ですが、ボトルネックは「反応を見るまでに時間が必要」ということです。
このプロジェクトでは生成AIが顧客として振舞って自社のプロダクトに関する意見を言い合っています。ある論文によれば、GPT4のレベルであれば実際のフォーカスグループと遜色のないフィードバックを得ることができたともいわれています。
倫理面や技術面で課題は多いものの、実際に合成データが実用に耐えるものになると、100万回のABテストを市場に出る前に行うことができるかもしれません。顧客の意見に基づいた改善こそがパワーであるマーケティングの世界ではこれほどの脅威はないと言えます。
その他合成データに関する事例はこちら(英文サイト)
とはいえ、まずは業務フローを見直すところから
いかがでしたでしょうか。一つでも今後のイメージが広がるようなプロジェクトがあれば幸いです。
生成AIはホットなトピックですので面白い分野ではありますが、実際の事業に活かすということで言うと一歩離れて業務フロー全体を見ることが必要です。現在の業務フローをマッピングしてみて、省略したり自動化できるところを探す、というのが基本的なDXのプロセスです。
今までは人間に頼るしかなかったプロセスも、生成AIを使って自動化・拡張できるようになってきました。そこで求められていることは、手を動かしてプロトタイピングしつつ、さらに業務フローを再整理しつつ、生成AIネイティブな組織へ生まれ変わっていくための準備を行うということです。
課題感はあるが言語化できていない、という方は是非こちらからお問合せいただき一緒に知恵を絞らせてください。