生成AIに社内の議事録を全部読ませ、リアルタイムで社内の状況全把握する方法
会社の成長に伴い、情報の伝達がスムーズでなくなったと感じることはありませんか。たとえば、新しいプロジェクトの進捗が遅延していても、上位の経営層に適切なタイミングで届かないことが考えられます。「早く言ってくれれば解決できたのに・・・」という内容でも報告が遅れるだけで事業への影響はどんどん増えていきます。
今回はChatGPTなどのLLMを使ってどのように社内の情報を即座に把握し、意思決定のスピードを上げられるかという点についてステップを追ってご説明します。
情報の遅れと歪み:組織の成長に伴う課題
情報の歪みは単純に階層の問題かもしれません。社長が同じフロアにいる会社と、週に一回の定例会で現場の情報をまとめ、それを部長陣が月に2回の会議でアラートを出し翌月の取締役会で持ち上がる、というリズムの会社では当然異変への対応のスピードは変わります。
また組織が大きくなると、人々の意識や動機も思わぬ方向に多様化し、政治的な力や個人の利害が情報の流れに影響を与えることがあります。例えば、あるプロジェクトの成功が特定の個人や部門の評価に影響する場合、その成功を大げさに強調することで情報が歪む可能性があります。逆に、問題や失敗については、関係者が情報を抑えることで自己保身のために歪んだ情報が流れることも考えられます。
ではこういった状況を打破するためにChatGPTをどのように使うことができるのでしょうか。
1. 社内コミュニケーションを支えるAIチャットボットをつくる
ChatGPTは汎用的な知識を持っていますが、当然社内のことは知りません。プロンプトで社内の状況を伝えることはできますが、文字量には6000文字程度と限界があります。
それではどうするかと言うと、ChatGPTにテキストを持たせて会話をさせます。
簡単な構成はこのようになります。議事録は特別なデータベースに保存し、プロンプトに関連する知識を混ぜてLLMに聞く形になります。
2. 議事録を集める
まずはデータを集める必要があります。最近は会議の音声データもWEB会議のおかげで保存されている企業も多いと思います。
音声をテキストにする
ZoomやGoogle Meetで文字起こしをする方法は既に色々と存在しています。まずは社内の必要な会議にて一律に設定をしてデータが集まってくる流れをつくりましょう。
Zoomで文字起こしする方法!おすすめの文字起こしアプリもご紹介!
テキスト化していく中で重要なことは話者を識別することです。誰の発言かによって意味合いも文脈も変わってきます。できればZoomできちんと各自のアカウントを管理し、発言をアカウントが紐づくようにしましょう。
テキストのフォーマット・保存場所を決める
議事録は様々な場所でバラバラに保存されがちです。またフォーマット(.txt、.pdfその他)が統一されているとこの後のフローで検索可能なデータにすることが難しくなります。まずはどんなフォーマットでどの場所に保存するのかを決めるのが良いでしょう。シンプルな形では.txtでGoogleドライブに保存、というものでも結構です。
3. 議事録をベクターデータベースに入れる
技術的な話を少しだけさせてください。ここでは議事録のデータをベクターデータベースというものに格納します。ベクターとは数値の列で、テキストをAIの理解しやすい形式に変換したものと理解して頂ければ大丈夫です。この形式の保存に特化したデータベースは実は文脈の検索をすることに適しています。
文脈で検索できるデータベース
皆さんがよく使うGoogleはキーワード検索をしています。キーワードに合致したものを探すもので、逆に言うと「おすすめのレストラン」と検索すると「おすすめのレストラン」というキーワードを含んだページが出てきます。
この場合キーワード検索では、単語「おすすめのレストラン」に関連する情報が表示されますが、具体的な食事体験や料理の内容は不明です。多くの一般的なレストラン情報が表示される可能性があり、選択肢を絞るのが難しいです。
文脈による検索では、単語だけでなく「海辺のロマンチックな夕食スポット」というクエリの文脈や意図を理解し、詳細な情報を提供します。特定の地域で、海辺にあるロマンチックな雰囲気の夕食スポットに関する情報が表示されるため、ユーザーは自分の求めている体験に近い情報を素早く見つけることができます。
文脈による検索の方が、ユーザーの意図や文脈をより正確に理解し、詳細で特定の情報を提供することができるため、キーワード検索では見つかりにくかった内容が見つかりやすくなります。
この仕組みをAIが議事録を理解することに役立てます。
迷ったらクラウドで完結するPinecone
ベクターデータベースは様々な種類がありますが、ここでは代表的なPineconeをおすすめしておきます。大規模になると金額が高くなるのがネックですが、無料で使える枠があり操作も簡単です。
使い方についてはこちらのページが詳しいので是非担当する方に共有してみてください。
保存する際、具体的には議事録単位ではなく任意の大きさのテキスト(500文字、など)に塊にして分割します。これはこの後のプロセスでなぜこんなことをするのか解説します。
4. プロンプトが関連するテキストを見つけ出す
では議事録が全てベクターデータベースに保存できたとして、これをどのように使うのが良いのでしょうか。仕組みとしては、ベクターデータベースに分割され保存されたテキストの塊の中から最もプロンプトの内容に近いものを選びます。
その結果として選ばれたテキストをプロンプトと合わせてLLMに送ります。
5. 議事録をベースに質問をし、洞察を得る
下記にChatGPTで架空の議事録に対して質問をして、回答を得るシミュレーションをしてもらいました。実際にどのように動くのかをイメージしていただければと思います。
ここでは返信のみを表示していますが、元のテキストも併せて表示することで、LLMの側で誤解がないか確認することができます。
プロジェクトAの進捗状況に関する質問1: “プロジェクトAの開発状況はどのようですか?”
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文脈による検索の結果1(プロジェクトAに関する情報):
- 会議日時: 2023年8月8日
- プロジェクト名: プロジェクトA
- 進捗状況: 開発段階で一部のモジュールが遅れており、リソースの再配分が検討されています。その他の部分については計画通り進行中。
文脈による検索の結果2(プロジェクトAに関する情報):
- 会議日時: 2023年8月15日
- プロジェクト名: プロジェクトA
- 進捗状況: プロジェクトAにおいて、モジュール間の統合テストにおいて予期せぬ問題が判明し、調査と修正が行われています。現在、リスクを最小限に抑えるための対策が検討中。
文脈による検索の結果3(プロジェクトAに関する情報):
- 会議日時: 2023年8月22日
- プロジェクト名: プロジェクトA
- 進捗状況: プロジェクトAにおいて、問題の特定と修正が進み、統合テストが再開されました。リスクマネジメントの手順が強化され、今後の進捗には影響が限定される見通しです。
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プロジェクトAの進捗状況に関する答え: プロジェクトAの開発は進行中ですが、一部のモジュールに遅れが生じており、リソースの再配分が検討されています。
一方で、統合テストに問題がありました。モジュール間の統合テストで予期せぬ問題が判明し、調査と修正が行われ、リスクマネジメントの手順が強化されています。
リスクマネジメントに対する対策は、問題の特定と修正を進めることで進行しています。統合テストが再開され、リスクを最小限に抑えるための手順が強化されました。
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残課題:アクセスできる情報の管理はどうするか?
いかがでしたでしょうか。ここまでで議事録をデータ化し、ベクターデータベースに保存してプロンプトを使って質問をし、社内の情報をベースにした洞察を得る流れを説明しました。
ここでおそらく勘のいい方はアクセス管理について思いを巡らせていらっしゃるかもしれません。これについてはまだ決定打になる仕組みが整っていませんが、権限ごとにベクターデータベースを分けて、質問者によってAIがアクセスできるデータベースを分ける必要があります。
ただ複雑になりすぎて保守できなくなるよりも、とにかくデータを貯めて整理して質問に答えられるようにする、という仕組みづくりが先決かと思いますので、まずは社内全体で共有してもいい情報から読み込んでいくことをお勧めします。
*この記事は生成AIによって半自動的に生成しています。
弊社ではChatbotの開発や生成AIを活用した記事作成なども行っています。弊社の具体的な事例もありますのでご興味がある方はこちらからご覧ください。
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